2013年11月17日日曜日

グルニエドールのアップル・タルト


11月2日のコンサートに出かけた際に、グルニエドールに行きました。このお店のアップルタルトは時期に合わせてリンゴの品種を変えていくのですが、この時はちょうど紅玉になっており、買い求めました。



ケーキに使うリンゴの中で、紅玉は別格と思います。加熱処理した際の、半透明になった果肉の食感と酸味は他の何にも代えがたい。



20年ほど前に、NHKのニュースで紅玉を「まぼろしのリンゴ」と紹介していましたが、幸い、関西でも短期間ですが、普通に入手できていましたし、最近では良質のものが店頭に並んでいるようです。また、青森のリンゴ農家から取り寄せることも可能でした。


鍋一つでできるとても簡単なものですが、さつまいもと紅玉の重ね焼きを作って楽しみます。
材料は、さつまいもと紅玉、干しぶどう、バター、それに砂糖(きび砂糖)。
なべ底にバターを薄く引き、そこに薄く切ったさつまいもを敷き詰め、次に同じように薄く切った紅玉を敷き詰めバター、砂糖、干しぶどうを少し加える。これを何回か繰り返して準備は完了。後は、上に小さな蒸気穴をつけたハトロン紙を重ねて、ごく弱火で加熱するだけです。
シナモンパウダーを適宜使用します。


これで、さつまいもの甘さと紅玉の酸味が見事に調和したものとなります。

2013年11月2日土曜日

パリ管弦楽団 サン=サーンス 交響曲第3番「オルガン付き」 (2013年11月2日)

本日(112日)は、パーヴォ・ヤルヴィ率いるパリ管弦楽団の2013年日本公演の初日。京都コンサートホールのオルガン、特に、サン=サーンスの「オルガン付き」については、聴いておく必要がありますので聴きに行きました。
プログラムは
シベリウスの「カレリア」組曲
リストのピアノ協奏曲第2番 イ長調 S.125 R.456
インターミッション後に
サン=サーンス 交響曲第三番ハ短調Op.78 「オルガン付き」
オルガン:ティエリー・エスケシュ
でした。
リストのピアノ協奏曲でピアノを演奏したのは
ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ
アンコールは
ショパンのノクターンOp62-2でした。

サン=サーンス演奏後のアンコールが豪華で
1曲目がベルリオーズ「ファウストの劫罰」
          ハンガリー行進曲
2曲目がグリンカの「ルスランとリュドミラ」序曲
でした。

シベリウスの「カレリア」組曲については、あまり知らなかったのですが、予習して行ったものと比較して(YouTubeでのLive録音)ずいぶん興味深い作品と思いました。

リストのピアノ協奏曲は、20116月の京都市交響楽団の定期演奏会で聴いたこともあり、その前に、必要があって細かく作品を検討しましたので、聴き慣れた作品でした。今回の演奏とは、聴く位置が異なっていたせいもあるのでしょうか、少し違った印象でした。ソリストのヌーブルジェの演奏テクニックは申し分なく、もう少し音を整理できたら素晴らしいピアニストになると思います。この音が少し整理できていないという印象は、聴いた席が良くなかったからだと思います。京都コンサートホールは、ステージと反対側の壁の反射が強く、聴く位置によっては、残響というより時間差で二重に聞こえる場合があり、フロア席で聴くものとは随分印象が違うので、その影響で、不必要な音が混じって音の整理が足りない印象を受けたのでしょう。アンコールのノクターンでも少しそういう印象がありましたので。

パリ管弦楽団のオーケストラは、今まで聴いた交響楽団と比較しても音色が明らかに違いました。繊細であると同時に力強いものでした。エッシェンバッハ指揮によるフランス音楽の作品を、BSで注目して聴いてきましたが、実際に聴いた印象は放送とは随分違っていて、特徴をよくつかむことができました。

京都コンサートホールのオルガンは、ドイツスタイルとフランススタイルを併せ持ち、さらに篠笛や尺八のストップまであるというオルガンで、90ストップあるということです。そういう和楽器のような特別なストップを除いても80ストップを超えますので、サン=サーンスの作品を全く問題なく演奏することができます。32フィートのペダル鍵盤の重低音がホール全体を包み込むのは圧巻でした。また、この曲は第二部の後半(第4楽章に相当)に楽譜のオルガンパートに強弱記号が書かれていますから、スエル(強弱記号をつける扉)を使います。それも効果的に使われていました。バロックオルガンではあまり意識しないものですが。

パリ管弦楽団のこのプログラムでの公演は
サントリーホール
横浜みなとみらいホール
福井ハーモニーホールふくい
倉敷市民会館
4個所で行われます。サントリーホールとみなとみらいホールのオルガンについては、ここで述べる必要のないほどの素晴らしいものですが、福井ハーモニーホールふくいのものは、71ストップあって、ドイツスタイルとフランススタイルを同様に兼ね備えているもので、こちらもサン=サーンスの作品を十分に演奏できるものでしょう。
倉敷市民会館については、電子オルガンを使うこと、それで問題なく演奏できることがくらしきコンサートのホームページに書いてあります。

9月にサントリーホールで別の演奏団体が「オルガン付き」を演奏したようですし、来年124日には、京都コンサートホールでの京都市交響楽団定期演奏会で「オルガン付き」を演奏しますので、今年の秋冬シーズンには、日本で「オルガン付き」が少なくとも7回(パイプオルガンによる演奏に限定しても6回)鳴り響くことになります。

「オルガン付き」の演奏は見事なものでしたし、勉強になることが多数ありました。アンコールの2曲は素晴らしいの一言でした。

ベルリオーズは当然のことながらお手のものです。
グリンカ「ルスランとリュドミラ」序曲については、曲名を知らなくても、曲は誰でも知っている曲です。プログラムの中にマエストロ・ヤルヴィが、「カレリア」をプログラムに加えた理由として、「曲目が中央ヨーロッパに偏らずに済む」ということをおっしゃっておられますが、グリンカを加えることで、さらにロシアまで含めた凡ヨーロッパのプログラムを意図されたのかもしれません。

最後に、後援いただいている富士電機株式会社様に感謝いたします。着実にメセナ活動(最近では忘れ去られた言葉になっていますが)を続けておられるご様子に頭の下がる思いです。


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