2016年10月8日土曜日

ソニー・シネズーム18-110mm f/4.0 G PZとフジノンXK6×20 20-120 mmの比較【改訂】

ソニーのシネ用途を考慮したAPS-Cズームレンズについて以前ポストしました。

E PZ 18-110mm F4 G OSS (SELP18110G)公式発表【追加情報】

Sony 18-110mm f/4.0 G PZ APS-C【最短焦点距離】

この中で、35 mm PLマウントの本格的なレンズで、よく似た焦点距離を持つフジノンXK6×20 20-120 mmを比較対象のレンズとして、このソニーの新レンズのことを検討しました。

ここでは、その比較を表にしてまとめておきます。

18-110mm f/4.0 G PZ


フジノンXK6×20 20-120 mm



ソニー
18-110mm f/4.0 G PZ
フジノン
XK6×20 20-120 mm
MOUNT
Sony E-mount
35mm PL mount
FORMAT
APS-C
24.84 mm×13.97 mm
FOCAL LENGTH (MM)
18–110
6.1×
20-120
6×
35 MM EQUIVALENT FOCAL LENGTH
27–165 mm
(APS-C)
 30-180 mm
ANGLE OF VIEW
76 °–14 ° 30'
(APS-C)
20 mm   63°41'×38°50'
120 mm  11°49'×6°40'
MAXIMUM APERTURE
F 4
T 3.5
MINIMUM APERTURE
F 22
T 22
APERTURE BLADES
7(円形絞りに近い)
9(円形絞りに近い)
MINIMUM FOCUS DISTANCE
1.31 (W)–3.12 (T) ft (AF/MF); 3.12 ft (Full MF) (0.4 (W)–0.95 (T) m (AF/MF); 0.95 m (Full MF)
1.1m/3.6 ft
Macro mode: 40 mm(レンズ先端から)
MAXIMUM MAGNIFICATION RATIO
0.122×
20 mm   1109 mm×624 mm
120 mm   182 mm×102 mm

FILTER DIAMETER (mm)
95

IMAGE STABILIZATION (STEADYSHOT)
Yes
No
ZOOM SYSTEM
Both manual and powered
Manual/Drive system
TELECONVERTER
SEL14TCSEL20TC

DIMENSIONS (DIAMETER X LENGTH)
φ110 mm×167.5 mm
φ114 mm×239 mm
WEIGHT
1,105 g   (Without tripod mount)
Ca. 2.4 kg(駆動部なし)
Price
3,499.99ドル
198万円(System 5)


本格的なシネレンズを目指し、同等機能のレンズと比肩しうるスペックを持ちながら、
価格は大幅に安いことがよくわかります。

フジノンのレンズは、本格的なシネレンズであって、この表には出ていないスペック(例えば、ピントリングやズームリング回転角の統一;異なるレンズ間の色味の統一など)も追求されていますので、この価格差はある意味で妥当なものなのでしょう。
また、フジノンの場合は開放アパーチャーはT 3.5ですから、F値としては2.8くらいのものと思われ、この点も価格差に大きく影響しているのでしょう。


ところで、α6500のデモビデオ
Sony | α | α6500 -Ultra resolution 4K movie in Super 35mm

の中で、E PZ 18-110mm F4 G OSS (SELP18110G)が使われているショットがいくつかあり、興味深いことに、FE 24-70 mm GMでの同じ場所でのショットが続いています。
画面の引き締まり感の違いがひと目でわかるほど際立っています。コントラスト、解像感共に極めて特徴的で、画面の歪みについても目立ちません。

ただ、逆に言えば、EF 90mmマクロの場合と同様に、画面をちょっと眺めただけで、E PZ 18-110mm F4 G OSSを使っているのがわかるほど特徴が際立っていると、他のレンズとのトーンのバランスに工夫が必要になることになるのかも知れません。

α6500のデモビデオでもう一つ特徴的なことは、シャッター速度1/60を多く使っていることです。
α6300やα99IISuper 35 mmショットでは、1/50がほとんど1/60を使うことはありませんでした。
これは、24P撮影を基本にしていたからだと思います。α6300では4Kでは24Pの場合だけ、Super 35 mmに合致するサイズで撮影しますが、30Pでは撮影範囲がこれよりも狭くなります。

α6500のデモビデオ撮影で、シャッター速度1/60を多用していたことは、30P撮影も使われたことを示すものと思います。α650030PSuper 35 mmに合致するサイズ、つまり24Pとサイズが同じになっている可能性があるのではないかと【以下、訂正】勝手に想像しましたが、紹介ページの脚注をチェックしましたら、撮影サイズは、α6500ではα6300と同じで、24Pと30Pで違っていました(そのサイズの違いも全く同じでした)

Super 35 mmモードで4K撮影可能なFFセンサー;α7SII後継機のうわさの反証

Super 35 mmモードで4K (UHD)撮影を可能にするFFセンサーは、最低限とれだけの画素数を有していなければならないかを整理してみました。

1. まず、Super 35 mmモードで4K (UHD)撮影を可能にするには、Super 35 mmの画素数が4K (UHD)の規格3840×2160画素なければなりません。

2. FFセンサーの横画素数は、Super 35 mmの横画素の1.5倍ですから、5760画素必要です。その横画素から静止画3:2の比率をもとに縦画素を計算すると3840画素となります。

3. 従って、Super 35 mmモードで4K (UHD)撮影を可能にするFFセンサーは

5760×384022118400、つまり2212万画素必要です(図;左側)。


ところで、アジア圏から発信されているα7SIIの後継機が、フルフレーム1540万画素と噂されています。
このフルフレーム1540万画素に近い画素数は4800×32001536万画素です。
そして、ここから求められるSuper 35 mmモードの画素数は3200×1800となり、Super 35 mmK (UHD)に必要な画素数に足りません(図;右側)。

ですから、このうわさの機種ではSuper 35 mmK (UHD)の撮影はできなくHD撮影しかできないことになります。

うわさの写真では、「Super 35 mmで全画素読み込みを行い」と書かれていますが、その後が、ウォーター・マークに遮られて読み取れません。この隠れた場所にHD撮影と書かれていれば何も問題ありませんが、4Kと書かれていると、文章の信頼性が大きくゆらぎます。

他にも、この文章には奇妙な点がたくさんあります。

1行目 1540万画素センサーと新開発フロントエンドLSIによる圧倒的な高解像
解像度は画素数が重要な要素です。4200万画素のRIIがあるのですから、1540万画素では高解像とは言えません。画素だけに限らない要素を含めて表現する際には、解像ではなく精細感を使うはずです。
加えて、新開発フロントエンドLSIは、α99IIやα6500の発表では、画質向上に向けたものとされています。

3行目 「赤外線を使っ撮影できる
使っの“て”が脱字しています。公式の文書であれば、十分に校正するはずですので、文書の信憑性を疑う根拠となります。
その点を除いても、ここに表現されていることは、センサーの前に赤外線フィルターがついていないか、ついていても効果を弱めてあることを意味しています。
これでは、赤外線撮影には適しているでしょうが、一般撮影ではハンディになるのではないでしょうか?

最後の行        ここには手ぶれ補正に関して、光学式5軸手ぶれ補正に加えて電子式5軸手ぶれ補正を備えていると読み取れる文章があります。電子式で5軸手ぶれ補正って、どうやるのでしょう?
センサーの水平・垂直方向のモーションは補正できるでしょうが、ヨー、ピッチ、ロールの残りの3軸の補正はどうやるのでしょう。ロールについては、無理やりやることも可能かも知れませんが(回転補正)、補間の際に直線がギザギザになるように思います。
加えて、水平・垂直方向のモーションを可能にするには、画素に少し余裕がなければなりません。さきほどの画素数の議論にさらに困難な要素が加わることになりますし、少なくともFFモードでは撮影エリアがFFよりも狭くなるはずです。

これらの点から、うわさのスペックはかなり眉唾なものと考えます。

SonyノイズキャンセリングヘッドホンWH-1000XM4のトンネルボコッ大幅改善

 SonyノイズキャンセリングヘッドホンWH-1000XM4では、新幹線でのトンネル出入りの際のボコッが、WH-1000XM3と比較して大幅に減少しているようです。 山陽新幹線・九州新幹線ではトンネルが多いため、高速でトンネルに入ったり出たりすると、車内の気圧が急激に変動するため...