2016年10月8日土曜日

Super 35 mmモードで4K撮影可能なFFセンサー;α7SII後継機のうわさの反証

Super 35 mmモードで4K (UHD)撮影を可能にするFFセンサーは、最低限とれだけの画素数を有していなければならないかを整理してみました。

1. まず、Super 35 mmモードで4K (UHD)撮影を可能にするには、Super 35 mmの画素数が4K (UHD)の規格3840×2160画素なければなりません。

2. FFセンサーの横画素数は、Super 35 mmの横画素の1.5倍ですから、5760画素必要です。その横画素から静止画3:2の比率をもとに縦画素を計算すると3840画素となります。

3. 従って、Super 35 mmモードで4K (UHD)撮影を可能にするFFセンサーは

5760×384022118400、つまり2212万画素必要です(図;左側)。


ところで、アジア圏から発信されているα7SIIの後継機が、フルフレーム1540万画素と噂されています。
このフルフレーム1540万画素に近い画素数は4800×32001536万画素です。
そして、ここから求められるSuper 35 mmモードの画素数は3200×1800となり、Super 35 mmK (UHD)に必要な画素数に足りません(図;右側)。

ですから、このうわさの機種ではSuper 35 mmK (UHD)の撮影はできなくHD撮影しかできないことになります。

うわさの写真では、「Super 35 mmで全画素読み込みを行い」と書かれていますが、その後が、ウォーター・マークに遮られて読み取れません。この隠れた場所にHD撮影と書かれていれば何も問題ありませんが、4Kと書かれていると、文章の信頼性が大きくゆらぎます。

他にも、この文章には奇妙な点がたくさんあります。

1行目 1540万画素センサーと新開発フロントエンドLSIによる圧倒的な高解像
解像度は画素数が重要な要素です。4200万画素のRIIがあるのですから、1540万画素では高解像とは言えません。画素だけに限らない要素を含めて表現する際には、解像ではなく精細感を使うはずです。
加えて、新開発フロントエンドLSIは、α99IIやα6500の発表では、画質向上に向けたものとされています。

3行目 「赤外線を使っ撮影できる
使っの“て”が脱字しています。公式の文書であれば、十分に校正するはずですので、文書の信憑性を疑う根拠となります。
その点を除いても、ここに表現されていることは、センサーの前に赤外線フィルターがついていないか、ついていても効果を弱めてあることを意味しています。
これでは、赤外線撮影には適しているでしょうが、一般撮影ではハンディになるのではないでしょうか?

最後の行        ここには手ぶれ補正に関して、光学式5軸手ぶれ補正に加えて電子式5軸手ぶれ補正を備えていると読み取れる文章があります。電子式で5軸手ぶれ補正って、どうやるのでしょう?
センサーの水平・垂直方向のモーションは補正できるでしょうが、ヨー、ピッチ、ロールの残りの3軸の補正はどうやるのでしょう。ロールについては、無理やりやることも可能かも知れませんが(回転補正)、補間の際に直線がギザギザになるように思います。
加えて、水平・垂直方向のモーションを可能にするには、画素に少し余裕がなければなりません。さきほどの画素数の議論にさらに困難な要素が加わることになりますし、少なくともFFモードでは撮影エリアがFFよりも狭くなるはずです。

これらの点から、うわさのスペックはかなり眉唾なものと考えます。

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