2020年10月17日土曜日

SonyノイズキャンセリングヘッドホンWH-1000XM4のトンネルボコッ大幅改善

 SonyノイズキャンセリングヘッドホンWH-1000XM4では、新幹線でのトンネル出入りの際のボコッが、WH-1000XM3と比較して大幅に減少しているようです。

山陽新幹線・九州新幹線ではトンネルが多いため、高速でトンネルに入ったり出たりすると、車内の気圧が急激に変動するためと思いますが、WH-1000XM3ではボコというようなヘッドホン空間内の気圧変動によるノイズが出ていました。WH-1000XM3でも本体ソフトウェアがアップデートされるたびに、このノイズ発生はわずかずつ改善されてきましたが、完全な解消には至っていませんでした。

それが、WH-1000XM4では、ほぼ全く気にならない程度にまで改善されていました。

新幹線内で使用してその他気がついたことが2つあります。

1. ノイズキャンセリングで残る周囲音の音質がまろやかなものとなっているように思います。

2. アンビエントモードでの周囲音の音質が改善され、外部音の認識の程度が改善されたように思います。

山陽新幹線・九州新幹線はトンネルが多いため、トンネル内の走行音のレベルが高く、NCヘッドホンやイヤホンを装着することによる耳の疲労感の低減は、極めて大きなものとなります。

WH-1000XM4では、その騒音改善が音量レベルの改善だけでなく、ノイズの音質改善や、トンネルボコの解消まで実現しており、疲労の低減にとても適したアイテムと思います。





2020年9月11日金曜日

Sony αシリーズの噂の新製品(Sony A7c?)の疑問点

 Sony αシリーズの新製品と噂されているSony A7cの外観らしき写真が出回っています。

α6000シリーズの筐体のデザインを受け継いでいるようですが、変化している箇所もあります。

写真を見て不思議と思った点を整理します:

1. カメラ本体の上面(いわゆる軍艦部)に段差がある。

レンズ取付部から上端までの距離には変化がないようです。さらに、写真の印象としては、レンズ取付部から下のボディの長さがα6300やα6500とは違って少し長くなっているようですので、カメラの光学部、センサー部分が、底面よりも段差の分だけ上に引き上げられ、本体の下部に何らかの装置が入る隙間を作ったと推定します。

レンズ取付部から下のボディの長さは、α6300やα6500よりも長くしないと、サイズの大きなFFレンズを三脚に装着する際につかえてしまいますので、ボディ下部に余裕ができるのは望ましいことです。

噂されている外形寸法が

124(幅)×71.1(高さ)×59.7(奥行き)mmで

A6500が

120.0()×66.9(高さ)×64.4(奥行き)mm
120.0(幅) x 66.9(高さ) x 53.3 (奥行き)mm(グリップからモニターまで)

 

A6600が

120.0(幅) x 66.9(高さ) x 69.3 (奥行き)mm
120.0(幅) x 66.9(高さ) x 59.0 (奥行き)mm(グリップからモニターまで)


高さが4.2mm高くなっていることから、光学系+センサーが高い位置に置かれている(必然的に、マウント下端とボディ底部との距離が長くなる)ことは妥当な予想と思います。



2. センサー取り付け位置(基準面マーク)とホットシューの位置関係に違いがある。

レンズ取付部と基準面マークとの間は変化するはずがありませんので、新製品では、ホットシューが少し後ろに移動していることになります。これが何かを意味するのか不明です。


3. ボディ上面、EVFの前あたりに、細長い2本の穴状のものが見える。

α6300やα6500にはそのような穴はありませんので、穴なのか刻印なのか不明ですが、

穴だとすると、放熱穴かもしれませんし、あるいは、ボディ前面の2箇所のステレオマイク

と組合わせて、特別な集音特性をもたせるのかも知れません。





2020年9月6日日曜日

SonyノイズキャンセリングヘッドホンWH-1000XM4の音質改善

 新製品SonyノイズキャンセリングヘッドホンWH-1000XM4が到着しましたので、前機種WH-1000XM3と比較して、音質面でどのように向上したのか、初期印象をまとめます。

1. DSEE extremeとLDACの比較

WH-1000XM4で新しくなったDSEE extremeの音質について検討してみました。DSEE extremeはCD規格の音(44.1 or 48kHz/16bit)を96 kHz/24bitまでアップスケーリングする機能で、このアップスケーリングの際に、AI機能を使い、曲の種類に応じてアップスケーリングの内容を変えるというものです。

Bluetooth音源として、ZX-300(メモリータイプウォークマン;LDAC)と

PCM-A10(リニアPCMレコーダー;SBS)を用い、両方に共通に入っている96 kHz/24bit音源をWH-1000XM4でワイヤレス再生して比較しました。ZX-300からはLDAC(96 kHz/24bit)規格で送信され、PCM-A10からは同じ96 kHz/24bit音源が48kHz/16bitにダウンサンプリングされてSBS規格でWH-1000XM4に送られ、WH-1000XM4でDSEE extreme機能を用いて96 kHz/24bit相当までアップスケーリングされることになります。

もともとが96 kHz/24bitのハイレゾ音源である場合には、LDACと比較するとDSEE extremeでは、音質に明らかな差がありました。DSEE extremeでは、弦楽器アンサンブルの弦楽器の音色のツヤが減って、ザラザラした音になっているという印象です。

ただし、それは、住宅の夜のような静かな環境で、96 kHz/24bitのハイレゾ音源のLDAC送信と比較した場合に、そのような差がわかるという程度であって、新幹線や飛行機の中など、ノイズキャンセリングが効いているとは言え、ノイズを完全に遮断することができない状況で、96 kHz/24bitのレファレンス音源がない場合であれば、DSEE extremeで十分な恩恵が得られるものと思います。

ここでの結論は、96 kHz/24bit以上のハイレゾ音源があるのであれば、LDACを介して良質の音楽再生を楽しめばよいが、そのようなハイレゾ音源がない場合(ストリーミングとか、古い録音でCD規格の音源しかない場合)には、DSEE extremeの効果が十分に期待できるでしょうというものです。


2. LDACでのWH-1000XM4とWH-1000XM3の比較。

ZX-300(メモリータイプウォークマン;LDAC)の96 kHz/24bit音源の再生をWH-1000XM4とWH-1000XM3とで比較してみました。参考として、ZX-300のバランス出力でのゼンハイザーHD-650の直接出力とも比較しました。HD-650自体のエージングは済んでいますが、ZX-300のバランス出力はまだ十分なアナログ回路のエージングをかけていませんので、若干角のある音になっているかもしれません。

音源として使用したのは、

サン・サーンスの交響曲第3番の第2楽章(緩楽章;オルガンの低音通奏入り)、第4楽章(最終楽章;強奏)、カンザスシティ・オーケストラの176.4khz/24bit音源。

シューマン/ブラームスのクラリネット・ピアノ作品Charles West/Susan Grace(176.4khz/24bit音源)

J.S.バッハのオルガン作品(ケイ・コイト(小糸恵)、バッハオルガンマスターワークVol.IV

(192khz/24bit音源)

J.S.バッハのヨハネ受難曲/マタイ受難曲 Dunedin Consort(最少人数の歌手による演奏) (96khz/24bit音源)

ドビュッシーのピアノ作品Michael Lewin (192khz/24bit音源)

などです。

最初の印象は、WH-1000XM4になって解像感が増し、演奏者との距離が近づいたと感じられたことです。ヨハネ受難曲/マタイ受難曲では、合唱のパートが、ほぼソロもしくは2人になっているDunedin Consortの音楽構成がよりはっきりわかるようになりました。一方で、

シューマン/ブラームスのクラリネット・ピアノ作品では、楽章によって、電源ノイズが明らかに聴き取れる楽章がありました。これは、ゼンハイザーHD-650では聞き取れなかったものですが、おそらく、HD-650がオープンエアであり、電源ノイズは、周囲の環境音にマスクされてしまうのに対し、WH-1000XM4では、ノイズキャンセリングが効いているので、音源にあるノイズに築きやすいということがあると思います。それと、ZX-300のバランス出力でもシングル出力でも、ハイインピーダンスのHD-650は十分にはドライブできていないことも挙げられると思います。

総合すると、WH-1000XM4はWH-1000XM3と比較して演奏の解像感が増しているように思います。ノイズキャンセリングの効果が増し、静寂な環境でもノイズキャンセリングに効果があることも背景にあるように思います。

サン・サーンスの交響曲第3番は、ホール全体の空気の振動が感じられるようにするには、ヘッドフォンで再生すること自体が非力です。そのようなホール全体の空気の振動は、実際に演奏を聴くとよくわかります。私は、京都コンサートホールで、異なる演奏団体で2回聴いたことがあります。

この曲のもう一つのチャレンジは、オルガンの重低音の通奏が、録音・再生では、他の楽器の演奏に干渉する場合があることです。多分、アナログ回路の電源余力の問題であろうと思いますが、ZX-300からの直接出力でも、LADCを介したヘッドフォン出力でも、そのような低音によるモジュレーションはあまり感じられません。WH-1000XM4では、最終段のアナログ回路に十分な電源余力があるのでしょう。

3. 注意点(2台同時接続)

新機能の2台同時接続機能は、音楽プレーヤー(ZX-300など)と、スマートフォン(iPhoneなど)を同時に使い、音楽プレーヤーの再生中に、スマートフォンに電話がかかってきたときに対応する際に便利と思われますが、注意点が2つあります

1つは、2台同時接続のようなことが、WH-1000XM3でも限定的ですが可能でした。音楽プレーヤーで演奏を再生しながら、スマートフォンでヘッドフォンアプリを立ち上げて、再生ステータスを確認したり、ノイズキャンセリング機能をセットしたりすることは可能でした。

このWH-1000XM3まで可能であった機能は、ヘッドフォンアプリで2台同時接続機能をONにしなくても対応しています。音楽プレーヤーとスマートフォンを同時接続している際にスマートフォンに電話がかかってきた際に、すぐに直接通話することができないだけです。

第2の注意点は、この新機能の2台同時接続をONにすると、LDACが使えないことです。

1.に書きましたように、LDACとDSEE extremeによるアップスケーリングを同じ音源で比較すると、DSEE extremeと言えども完全ではありませんので、音質にこだわる場合、2台同時接続をONにすることと、わずかな音質低下のトレードオフを検討する必要があります。


4. ファームウェアアップデート

スマートフォンに最新のヘッドフォンアプリがインストールされていると、WH-1000XM4のファームウェアアップデートがすぐに開始されます。アップデートには半時間ほどかかりますので、注意が必要です。

また、WH-1000XM4とWH-1000XM3をヘッドフォンアプリで併用してコントロールことは可能ですが、共用を開始した直後には、ヘッドフォンアプリが正常に機能しないことを経験しました(iOS版)。しかし、私の経験では、それらはアプリを再起動することで正常に機能できるようになりました。


5. ノイズキャンセリングの印象

最初にソニーストアで使用した印象では、WH-1000XM3ではノイズキャンセリングをしても、残っているノイズが、小石のように粒状に感じられたのに対し、WH-1000XM4では、小石のようなつぶつぶ感ではなく、なめらかなノイズに感じられ、残っているノイズがあまり耳障りなものには感じられませんでした。まだ、新幹線の車内のような本格的にノイズレベルの高い環境での使用は行っていませんので、断定はできませんが、ノイズキャンセリングにはっきりわかる改善があると感じています。また、ノイズフロアを抑える効果が静かな環境でも発揮され、その結果として音源にある電源ノイズまで聴き取れるほどであることは、先ほど説明しました。もっとも、電源ノイズや空調ノイズが聴こえるようになったほどの解像感の高まりが、音楽鑑賞にとって良いことなのかというのには、それぞれお考えがあることと思います。

6. WH-1000XM3との併用

WH-1000XM3との併用では、どちらのヘッドフォンか区別がつきにくいと思われます。

その場合には、色を変えれば、当然、容易に区別できます。しかし、どちらか一方の色を選択する場合には、暗い所での区別は容易ではありません。1つのわかりやすい区別は、左ヘッドフォンの内部に、脱着を判断するセンサーがついているのがM4でついていないのがM3ということです。さらに私は、音声ガイドと英語と日本語にそれぞれ異なる設定をしています。それで容易に区別できるようになりました。

それ以上に問題なのが、ケースがほぼ同じであるという点です。上記の区別は、ケースを開けてからしか確認できません。そこで、ケースの表のネット状の部分に、製品別にラベルを

挿入して区別しています。








2020年8月29日土曜日

都道府県別の人口10万人あたりの感染者数(8月27日現在)

感染者の絶対数では、人口の多い都道府県の方が多い傾向になるのは自然なことなので、各都道府県別の人口10万人あたりの感染者数(一種の感染密度)を作成してみました。

感染者数は8月27日の23時59分までに発表されたデータ、都道府県の人口は平成29年のデータをもとにしています。

図中の地域区分の色に合わせて表示しています。具体的な都道府県名は意図して省略しています。全国の平均値は、総人口に対する8月27日時点での総感染者数の10万人あたりの値です。

人口統計データが少し古いのであくまでも目安として取り扱ってください。なお、最新の人口動態情報によると、沖縄県を除いて、人口は年々減少していますので、上記のグラフは、沖縄県は過大推定、その他の都道府県は過小推定していることになります。

感染密度には、最高の都道府県と最低の都道府県の間でおよそ100倍の開きがあることがわかります。

東北地方と中国、四国地方が総じて感染密度が低いのですが、クラスターが発生しますと、順位が大きく変動します。クラスターが発生するかどうかは、潜在的リスクだけでなく偶然の要素もあることに留意しておく必要があります。







 

SonyノイズキャンセリングヘッドホンWH-1000XM4のトンネルボコッ大幅改善

 SonyノイズキャンセリングヘッドホンWH-1000XM4では、新幹線でのトンネル出入りの際のボコッが、WH-1000XM3と比較して大幅に減少しているようです。 山陽新幹線・九州新幹線ではトンネルが多いため、高速でトンネルに入ったり出たりすると、車内の気圧が急激に変動するため...