琳派誕生400年記念 特別展覧会
琳派 京(みやこ)を彩る
が、明日(11月23日)まで開催されています。
なかなか行く機会がなかったのですが、先日念願かなって
拝見してきました。
朝一番にでかけたのに、すでにごった返しの状態でしたが、
3時間ほどかけて、お目当てのものをすべて見ることができました。
展示物の多くは写真や映像などでよく知られているものでしたが、実際の作品を拝見すると、筆致などの細かなニュアンスが伝わってきて、まるで制作現場に臨席しているように感じました。
鶴下絵三十六歌仙和歌巻(13メートルの巻物に俵屋宗達が鶴の飛翔を描き、その上に本阿弥光悦が和歌を墨書したもの)
酒井抱一の夏秋草図屏風(尾形光琳の風神雷神図屏風の裏面に描かれていたもの(現在は分離されている))
それに、様々な工芸品へのデザイン的展開
これらは、様々に得ることが多くありました。
一つ、私にとっての新発見:
酒井抱一は尾形光琳百回忌を記念して展覧会を開催しています。その際に、縮小版の展覧図録として「光琳百図」(木版印刷)を出版しています(1815年ころ)。
その中に、波のデザインを書き写したものがありました(今回の展覧会図録159-1)
これは、北斎の富嶽三十六景(1823-31年)の中でも特に有名な神奈川沖波裏の波のデザインに共通するものがあります。これまで、北斎の波は、南房総の行元寺にある伊八作の欄間を参考にしたと言われていましたが、その考えには、納得出来ない点がありました。「光琳百図」のほうならば、デザイン原理に共通するものがあると私は考えます。