2015年11月22日日曜日

琳派展 京(みやこ)を彩る

琳派誕生400年記念 特別展覧会
琳派 京(みやこ)を彩る
が、明日(1123日)まで開催されています。

なかなか行く機会がなかったのですが、先日念願かなって
拝見してきました。

朝一番にでかけたのに、すでにごった返しの状態でしたが、
3時間ほどかけて、お目当てのものをすべて見ることができました。

展示物の多くは写真や映像などでよく知られているものでしたが、実際の作品を拝見すると、筆致などの細かなニュアンスが伝わってきて、まるで制作現場に臨席しているように感じました。

鶴下絵三十六歌仙和歌巻(13メートルの巻物に俵屋宗達が鶴の飛翔を描き、その上に本阿弥光悦が和歌を墨書したもの)

酒井抱一の夏秋草図屏風(尾形光琳の風神雷神図屏風の裏面に描かれていたもの(現在は分離されている))

それに、様々な工芸品へのデザイン的展開

これらは、様々に得ることが多くありました。

一つ、私にとっての新発見:
酒井抱一は尾形光琳百回忌を記念して展覧会を開催しています。その際に、縮小版の展覧図録として「光琳百図」(木版印刷)を出版しています(1815年ころ)。
その中に、波のデザインを書き写したものがありました(今回の展覧会図録159-1
これは、北斎の富嶽三十六景(1823-31年)の中でも特に有名な神奈川沖波裏の波のデザインに共通するものがあります。これまで、北斎の波は、南房総の行元寺にある伊八作の欄間を参考にしたと言われていましたが、その考えには、納得出来ない点がありました。「光琳百図」のほうならば、デザイン原理に共通するものがあると私は考えます。

2015年11月3日火曜日

朝霧に包まれた奈良公園

本日、文化の日の奈良公園は朝霧にすっぽり覆われました。

興福寺南円堂も五重塔も霧の中です。
朝霧に包まれた南円堂 2015年11月3日


朝日が射しますと、神々しいものが天から降ってくるようです。
春日神社参道 2015年11月3日


飛火野にも紅葉が迫っています。
飛火野 2015年11月3日




2015年11月1日日曜日

カンレンボク


カンレンボクCamptotheca acuminate 京都府立植物園


たまたまカンレンボクという植物についてちょっとだけ調べる必要があり、京都府立植物園に実際に木があるということで、実物を確認しました。

カンレンボク(旱蓮木)Camptotheca acuminateはミズキ科もしくはヌマミズキ科の落葉高木で、中国雲南省原産です。(オオギリ科とする資料もあります)
生命力が強いこと、多くの種子をつけることから、中国では喜樹(キジュ)と名付けられることもあり(このことから、英語名の一つがHappy Tree)、街路樹や庭木として好んで植えられているようです。日本には大正時代に入ってきました。

夏に乳白色の花をボール状につけ、栗のいがやバナナの房が球状に集まったような果実を秋につけます。

この果実には、抗がん作用があることがわかっているカンプトテシンが含まれていることが、米国国立がん研究所の調査でわかり注目されました。ところが下痢などの副作用が強いことや、水に対して難溶性であることから、アメリカでのそれ以上の開発は中止になりました。
その分子構造を基本に、さらに日本で開発を続けたものが、抗がん剤のイリノテカンです。

京都府立植物園では正門(南側の入口)脇の駐車場にありました。駐車場の南側(府立大学のグラウンド側)に1本だけ駐車スペースにはみ出ている木があります。それがカンレンボクでした。思っていた以上に高木で、枝も高いところについていますので、花や種子は遠くからしか観察できませんが、果実は意外に大きく、直径が数センチメートルはあります。

漢方薬の成分を西洋医学の観点から分析し、有効成分を特定するという流れは、研究の方向性としては一つの妥当なことですが、だからと言って、有効成分だけを取り出して西洋医学の薬剤として使おうとすると、多くの場合、副作用の問題に直面します。おそらくそれは、直接有効成分となってはいない、他の成分が漢方薬の配合の中に含まれているからだと思います。
そもそも、病気に対する治療をある特定の化学物質に求めようとするのは、「西洋医学」の根本にある還元主義(Reductionism)の考えかたです。一方、漢方の考え方は、人間の状態を全体として理解し、その全体のバランスが崩れていることが病気であり、そのバランスをもとに戻すことが治療であるという、ホリズム(Holism)が基本です。
このReductionismHolismの考え方の良いとこ取りができれば理想的なのかもしれません。

世の中の様々な論争では、批判する側は主張を先鋭化させようとしてReductionismの方向に論を進めようとする傾向が強いようです。そのような場合、実際には多面的な問題であるのに、自分が考えた見方だけが正しいと考えるようになりがちです。


SonyノイズキャンセリングヘッドホンWH-1000XM4のトンネルボコッ大幅改善

 SonyノイズキャンセリングヘッドホンWH-1000XM4では、新幹線でのトンネル出入りの際のボコッが、WH-1000XM3と比較して大幅に減少しているようです。 山陽新幹線・九州新幹線ではトンネルが多いため、高速でトンネルに入ったり出たりすると、車内の気圧が急激に変動するため...