フランス料理では大阪でとても有名なレストランのようですが、先日ランチをいただくことができました。
フルコースランチとして一応メニューは出されていますが、その日の食材によって内容は変わるようです。
地下鉄谷町線の中崎町駅、1番出口の交差点で、大阪環状線のガードをすぎるとすぐにあります。
前菜:季節のインスピレーション
野菜のテリーヌ、3種のソース |
野菜のテリーヌ(イカも入っていたように記憶しています)
に3種類のソース。
写真の左側の赤いソースがガスパチョソース(フルーツトマトの他に2種類の赤い野菜を加えてあるとのこと)
真ん中のクリーム色がリンゴとレモンのソース
上からふりかけてあるグリーンのものがクレソンを凍らせてパウダー状にしたもの。
それぞれが美味しいだけでなく、混ざってもよく調和しました。
季節野菜のスープ
玉ねぎのスープ |
淡路島産の玉ねぎの軽いスープ仕立て
ホイップしてあり、ふわふわ感が絶妙
魚料理
イトヨリのベニエ、野菜のエチュベ添え、白子のソース |
熊本県産イトヨリのベニエ(洋風の天ぷら)
衣をまとって揚げることで、イトヨリが蒸し煮のようになり、柔らかさと風味が閉じ込められていました。
ベニエの下に、海苔の風味を効かせた野菜のエチュベ(水を加えない野菜の蒸し煮)
その下に、
夏風の白子のソース
白子のソースの魚の香りと、エチュベの野菜の香りが、それぞれを食べると強く感じられるのに、それが合わさってもよく調和しました。
肉料理
四万十鶏のソテー、うずらのソース |
四万十鶏のソテー
ソースはうずらのソースにトリュフの香りを移しているとのこと。
ワインビネガーを使っておられると思いますが、その酸味がアクセントになって爽やかさを残します。また、焼きとうもろこしの香ばしさもアクセントになっています。
デザート
桃のコンポーネント、スモモのシャーベット |
徳島県産の桃のコンポーネントの間に、スモモのシャーベット。
シャーベットは、溶けるぎりぎりの温度にしてありました。
全体に「料理の科学」をうまく活用するスタイルのように感じました。
特に感じたのは、
複数のソースのアンサンブルと料理の適切な温度管理です。
それぞれのソース単独でも美味しい上に、複数のソースが混ざり合っても美味しいと思いました。
温度管理について特筆すべきは、(無塩)バターの温度管理です。
バターは口に入るとすぐに溶ける温度で出されます。それ以上にあたたまると溶けてしまうので、バターの下のガラスのブロック(魚料理の写真の左上に少し見えている)を予め冷やしておいて、バターの温度を適温に保っているものと思います。
バゲットは、S. Kagawaさんのものを使っていると書いてありました。皮の焼き目が普通のバゲットより少し淡く、風味と甘みが印象的なパンでした。
S. Kagawaさんと言うのは、同じ中崎町内の、都島通りに面したパン屋さんで、とても評判が高いとのことです。そこのバゲットとは皮の焼き色が違いますし、味も微妙に違う(優劣の問題ではありません)ので、特別にオーダーしておられるのでしょう。
私がこれまで食べたバゲットの中では、京都北山のマリーフランス北山店のバゲットに、リベルタスのパンは似ているように感じました。
リベルタスでは、食材のサプライズと、様々なソースのマリアージュ、それぞれに適した絶妙な温度の料理を楽しむことができました。