8月26日の奈良国立博物館 雲がきれいだったので、iPhoneで撮影 |
奈良国立博物館では源信 地獄・極楽への扉 特別展が開催されています(9月3日まで)。
「往生要集」の著者であり、浄土信仰の普及につとめた恵心僧都源信(942〜1017)が奈良の当麻寺の近くで生まれ、1000年忌を迎えたため、開催された特別展です。
極楽浄土を具体的に示すため、阿弥陀如来来迎図や来迎の様子を演劇的に示した迎講を創案したのも源信とされています。
死に際して阿弥陀如来が来迎する様子を具体的な像として示したものとして京都即成院の二十五菩薩坐像(重要文化財)のうち6像が展示の前期と後期に分けて展示されました。
前期展示
徳蔵菩薩 ( 載金の痕跡あり)
普賢菩薩
宝蔵菩薩 ( 載金の痕跡あり)
後期展示
日照王菩薩
衆宝王菩薩
薬上菩薩 ( 載金の痕跡あり)
これらの多くはそれぞれが様々な楽器を演奏する瞬間が描かれており、全体としてサイズなどが統一されており、いずれもふくやかなイメージを持ちながら、それぞれの像は個性をもって表現されています。
演奏されている音楽が聞こえてくる感じを受けます。
即成院では、ひな壇の狭い空間に置かれており、群像として正面からしか拝観できませんが、この特別展では、360度全周から観察でき、背部から見ても正面のダイナミックな動きが破綻なく感じられます。
平安時代の代表的仏師である定朝の流れをくむ仏師が作ったものと考えられており、いずれも寄木造の美しい像でした。
現在では、ほとんど装飾が見えませんが、載金が一部の仏像に見られることから、完成当時は見事な彩色が施されていたのでしょう。