2013年10月5日土曜日

J.S. Bach 室内楽の2つの時代

J.S.バッハ(以下バッハ)はケーテン時代の32歳から38歳とライプツィヒ時代の1729年3月から、少なくとも1741年ころ(44歳から56歳)までに、室内楽作品などの非宗教作品を多数作曲する機会がありました。

この2つの時代に室内楽作品を多く作曲したのは、演奏の機会が多くあったからです。ライプツィヒ時代については、ライプツィヒ大学の学生を主体とした演奏団体「コレギウム・ムジクム」を指導し、コーヒーハウスの経営者ゴットフリート・ツィンマーマンの協力のもと、彼の所有するカフェの店内や庭園で、毎週1回2時間程度の演奏を行っていました。1つの演奏団体が毎週演奏会を開催するというのは、現代から見ても相当に活発な活動です。演奏したのはバッハの作品だけではありませんが、自身の多くの作品を演奏する機会が与えられました。

ケーテン時代には、芸術に理解の深いレオポルト侯のもとで、宮廷楽長に就任し、当時としても比較的大きな宮廷楽団を指揮することとなりました。この楽団の常任メンバーとしてバッハを除き、17名の存在がわかっているのでその当時としては大きな規模の楽団でした。

ちなみに、この楽団のことを、当時の会計簿では「コレギウム・ムジクム」と呼んでいます。先ほどのライプツィヒ大学の「コレギウム・ムジクム」を固有名詞であると理解している人もおられるでしょうが、多くの楽団が「コレギウム・ムジクム」と名乗っておりました。そのため、「ライプツィヒのコレギウム・ムジクム」とか「ケーテン宮廷のコレギウム・ムジクム」とか何らかの修飾語を加えないといけません。

さて、宮廷楽長ですから、宗教曲に関する第一義的な義務はなく、自作や他の作曲家の作品の演奏に注力することができたわけです。これにはもう一つ、レオポルト侯がカルヴァン派であったことが関係します。カルヴァン派はルター派と比較して、教会音楽にあまり重点を置いていなかったようです。そのため、非宗教音楽の演奏や作曲に力を入れることができたとも考えられます。

ただし、ケーテン時代の非宗教作品については、よくわかっていないことが多くあります。これまでケーテン時代の作品と考えられていた管弦楽曲や室内楽作品の多くで、ライプツィヒ時代の作品の可能性が出てきています。また、ケーテン時代にベルリン辺境伯に献呈したことが明白な「ブランデンブルク協奏曲」(種々の楽器のための協奏曲)にしても、もともとの作曲は、ケーテン以前のものである可能性が高くなっています。
ひょっとして、とんでもない所から、ケーテン時代の作品が発見されるかもしれません。

この一見幸福に見えたケーテン時代ですが、バッハは新たな職を見つけなければならないような状況に置かれます。

一般には、レオポルト侯の音楽に対する情熱が薄くなったからと理解されていますが、音楽にエネルギーを注ぐことが困難なような背景があったようです。それも2つ。
1つは、弟との相続権争いです。これによって、しばらく領地の一部からの収入が途絶えてしまいました。

もう一つは、ルター派の巻き返しです。ケーテン侯国では、バッハがいた時代の100年ほど前に、当時の領主ヨハン・ゲオルク侯爵がケーテン市などをカルヴァン派に改宗させてしまいました。それに対してルター派はじっと我慢の姿勢を続けましたレオポルト侯の母親がルター派であったことから、次第にルター派の勢力が伸ばされ、深刻な問題となっていきました。

レオポルト侯は1728年末に32歳の若さで逝去されるわけですが、バッハは追悼のためのミサ曲を送っています。楽譜は失われていますが、テキストが残っていることと、マタイ受難曲の中から9曲が転用されたことがわかっていますので、BWV244aとして再現が試みられています。



2013年9月11日水曜日

ルバーブのジャム

先の投稿で、京都のグルニエドールのルバーブタルトについてお話しましたが、そのルバーブのジャムを作る機会がありましたのでご紹介します。

なお、実際にジャムを作ったのは8月5日です。もう時期は過ぎていると思いますので、自分も作ってみたいというかたは、来年をお楽しみに。

ある百貨店の地下食材売り場でたまたま見つけたのがこのラベル。



赤いルバーブです。中身はこれ、



ラベルのレシピに従って作っていきます。グラニュー糖の代わりに手元にあった氷砂糖を使い、甘みは少し控えめにしました。
茎をブロックに切ったものを熱していくとあっという間に溶け出してきれいなジャムが出来上がり。



ピンク色と、白い線維(繊維)が残るのが特徴です。パンにつけて食べるととても美味しいものでした。



ルバーブの砂糖を加えない味は、どこかに懐かしいものを感じます。そうです、“スカンポ”という俗名で親しまれているイタドリやスイバの味とほとんど同じです。
ルバーブもスイバも共にタデ科植物で、シュウ酸を多く含んでいる植物なのです。漢方薬で言えば、大黄も同じ仲間です。

ここで、ルバーブの毒性について調べましたので参考までに:
シュウ酸はシュウ酸結石の原因となる可能性があります。同じくシュウ酸が含まれているホウレンソウの摂取が限定あるいは禁止されている人は、摂取に注意したほうが良いでしょう。またシュウ酸の含有量は、茎では少なく、葉に多いようです。葉は食物としては使わないほうが良いでしょう。

ベルギー連邦フードチェーン安全庁(AFSCA)の情報では
「ルバーブの茎は安心して摂取できるが、葉については、過去に、食糧難の際にルバーブの葉を加熱野菜として用いた急性中毒症例が報告されており、中には死亡例があった。子供が庭のルバーブの葉を誤って食べたり、菜食主義者が生サラダとして摂取して中毒を起こした例が報告されている。動物の中毒例もある。」
ということですので、葉は食べないように、食物の敷物として用いないようにすることも重要だと思います。この原因としては、葉に含まれる高濃度のシュウ酸の他にアントラキノンの可能性も指摘されているようです。いずれにしても十分にご注意を。






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