この作品を聴いてわかることは、よく似た旋律が反復されていることがとても多いことです。それを、分類すると、以下の4つのような特徴になります。
特徴1 旋律の再利用
特徴2 旋律の繰り返し(リフレイン)が極めて多い
特徴3 輪唱形式の多用
特徴4 この当時やイタリア・オペラなどで定式化されているパターンを使っている。
まず、特徴1について
これには全く同じ旋律、歌詞を複数回使うものが、このオペラの中で2曲あります。加えて、歌詞や状況が異なる2つの曲なのに、旋律はよく似ているものもあります。その例が第1幕第3場の三重唱"Perchè Mai Nel Sen”と、第5場のアリア"Più Bianca Senza Core”です。
第1幕第3場の三重唱"Perchè Mai Nel Sen”
一方、
第5場のアリア"Più Bianca Senza Core”
このように全く同じ曲を使ったり、違う歌詞や内容の曲の旋律の基礎構造を同じものにすると、1つの作品の中で、旋律(およびその基本構造)が何度も繰り返されることになり、聴衆としては、すでに知っている旋律を聴いているような感覚になります。
次に、特徴2である、旋律の繰り返しが多い点については、第1幕第8場"Lilla Mia Dove Sei”で示すことができます。
第1幕第8場カヴァティーナ"Lilla Mia Dove Sei”
Aの旋律が単純に反復され、Bが反復されるという、旋律の反復の繰り返しが続いています。
モーツァルトなら、反復ではなく、変奏に持ち込むところだと思います。
最後の特徴4の古典派オペラやイタリア・オペラに定型的に使われる手法を利用している点については、随所にみかけることができます。
Part 4に続きます
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