まちなかの様々な点光源をわざとぼかして撮影すると、思いもよらない光のコンポジションとなり、楽しいものです。
そこで、いくつかのレンズの絞り開放でのボケ味を比較してみました。
カメラはAPS-Cサイズのα6000を使っておりますので、フルフレームでの口径食の評価が行えるものではありません。
まずはFE 55mmF1.8
この写真だけは、6月に撮影したもので、少しの時間お借りしたレンズです。
次に、FE 90 mm Macro F2.8
ここから後は、同一の被写体です。燈火会で賑わっている奈良のとあるレストランンのディスプレイです。
PC Micro Nikkor 85 mm F2.8
最後に、STF 135 mm F2.8
この4本のレンズのボケ味にはそれぞれ特徴があります。
一般的に絞り開放でのボケ味として予想通りのものになっているのは
PC Micro Nikkor 85 mm F2.8のものです。
ほぼ真円で内部は平坦なものです。
STF 135 mm F2.8も真円ですが、内部が均一ではありません。周辺に向かって光量が落ちています。これは、このSTFレンズの特徴である「アポタイゼーション光学エレメント」のためです。
さらに、このレンズをよく観察しますと、絞りを完全に開くと、開ききる直前に、フィルターの前にある円形のリングの後ろに隠れてしまいます。つまり、絞り開放で光を遮るものは、絞り羽ではなくこの円形のリングなのです。
ですから、きれいな真円のぼけが生じることになります。
これに対して、FE 55 mmと90 mmでは、ボケが真円ではなく少しギザギザがあります。
これは、絞り開放の際に、リングではなく絞り羽が光路中に出ていることを示しています。開放絞りの絞り羽の形状が真円とはなっていないのでしょう。
次に、ボケの内部に、同心円状の縞が見えます。をれが両方のレンズに共通していることから、非球面レンズが使われているとそのような縞が形成されるのではないかと想像します。
このようなそれぞれのレンズの特徴を活かしながら大ぼけの写真を撮るといっそう楽しいものになります。
それ以外にも夜の写真には、「陰翳」の独特の雰囲気が出てきます。昼に見慣れた光景が、色調を抑え、保護用のニスによるフィルターのかかった古い油絵のような重厚さをたたえるようにもなります。
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