Sony EuropeがIBC 2015に関連してビデオカメラのティーザー広告を出しています。それに対する反応は
Sony Tease a New FS Camera to be Announced
at IBC 2015 #NoLimits
などで知ることができます。
このティーザーには、左から
α−7S NEX-FS700JK [シルエット]
PXW-FS7
の順に4K録画能力を持つカメラが配置され、画期的なFSカメラが登場することが予告されています。
このシルエットのになっているカメラは、はNEX-FS700(NXCAM)とPXW-FS7(XDCAM)の間に位置するFSシリーズのビデオカメラであることがわかります。
このシルエットが実際の新製品のシルエットなのであれば、いくつかの特徴を読み取ることができます。
- 液晶モニターとビューファインダーの両方を持っていること。
- 使われているレンズが、FS7標準のFE PZ 28-135 mmではなく、FS700JK標準のE PZ 18-200mmでもないように見えること。新しいビデオ用Eマウントレンズ?
【更新】既存のSELP18105Gでした。
液晶モニターとビューファインダーの両方を持つスタイルは、ちょっと前までは標準的でしたが、FS700やFS7では液晶モニターに大きなファインダーを装着して両方を兼用するスタイルになっていますので、本当に両方を備えるのか興味あるところです。
このことは、シルエットが新製品の形状を反映していないという可能性を示すものであります。そうなるとレンズについての検討は意味のないものとなり、新しいビデオ用のEマウントレンズの登場は期待でません。
逆に本当に新製品にビューファインダーも装備されているのであれば、α7RIIの評判の良いXGA OLED Tru-finderを転用するのかも知れません。
センサーについては、α7Sのフルフレームセンサーを使うのではないかとも想像されていますが、例えフルフレームセンサーを使う場合でも、FSシリーズの基本はSuper 35mmサイズであると思われますので、α7Sのセンサーをそのまま転用することはないと推定します。
α7Sのセンサーは、Super 35mmサイズの4K収録モードがありますが、このクロップモードでは補間して4Kビデオを作り出しており、4Kの解像度があるものではないからです。
Super 35mmサイズのセンサーで、FS700やFS7のものと同じか、あるいはそれより発展したセンサーと考えるのが妥当に思います。
【更新】FS5は画素数や基本技術などはFS7とほぼ同じでした。
【更新】FS5は画素数や基本技術などはFS7とほぼ同じでした。
そしてそこに、どのような新技術をつぎ込むかが興味ある点です。
考えられる要素は
- 裏面照射型センサー(BSI)
- Cu配線
- 積層型センサー
- それに、オーバーサンプリング
です。
裏面照射型センサーとCu配線はほぼ確実に実現すると思います。フルフレームセンサーまでSonyとしてはすでに確立している技術ですから。
問題は、現時点では1インチセンサー止まりの積層型センサーが採用されるかという点です。これは、転送速度を上げることに寄与するため、HDでのハイフレームレート撮影に関係しますし、被写体歪みの低減にもつながります。
最後にオーバーサンプリングについてどうするかです。α7RIIではSuper 35mmクロップの際に1.8倍オーバーサンプリングを行い、画質の向上やモアレの低減などに極めて優れた成果を上げています。ただ、一方で、1フレームの取得に要する時間が長くなり、被写体歪みについては、α7RIIのSuper 35mmクロップはあまり良い評価を受けていません。
ビデオに特化したFSビデオカメラがどのような答えを出すかとても興味深い点です。
これらの新技術は、α6000の後継機と噂されている新しいAPS−Cカメラにも共通する点であり、その意味でも興味深いものです。
一方で、現在のFS7のSuper 35mmセンサーでも4K 60fpsやハイフレームレートHDなど十分な性能を持っているから、センサーに新技術を投入する必要はないのではないかとも考えられます。
しかし、将来の8Kカメラまでを展望するのであれば、これらの新技術をいずれかの時点でビデオセンサーに使わなければならないことは明白です。ですから、その意味でも、11日に発表されるという新しいFSシリーズのビデオカメラは興味が持たれます。
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