7月2日に、奈良市春日大社のヒメハルゼミが鳴き始めたことをお伝えしました。
それから2週間後の16日に録音しましたところ、興味深い変化が生じていました。
両日とも、同じ条件で録音しています。
上が7月2日(ほぼ鳴き始め)のパターンで、下が16日のパターンです。時間軸は合わせてあります。
2日には、鳴いていない時間が相当にあったのですが、16日の録音では、
全く鳴いていない時間というのは、冒頭から6分あたりを除いてほとんどありません。7分あたりから「合唱」が始まり、録音を終了した44分の時点でまだ「合唱」は続いており、「合唱」が終わる雰囲気はありませんでした。
ただ、この場合1頭のセミがずっと30分以上鳴き続けているわけではありません。ここには、おそらくは広葉樹の大木の樹冠それぞれに対応するいくつかの群れがいまして、それぞれの群れは、数分鳴いてしばらく休むことを繰り返しています。このエンベロープでも、左右でエンベロープに違いがあるのは、鳴く群れの場所の違いを示しています。ところどころにスパイク状のものが見えますが、これはカラスやヒグラシの鳴き声です。
この30分以上の「合唱」は、これまであまり遭遇したことがありませんでした。
個体数の違いや、他の群れからのトリガー刺激で鳴き始める閾値、それに、それぞれのグループの平均奏鳴持続時間の違いなどの様々な要素が関係して、このようなパターンの変化が生じているのでしょう。
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