2017年11月1日水曜日

第69回正倉院展 尺八 花籠 玳瑁杖など 【内容更新】

昨日、第69回正倉院展の特別解説がありましたので、正倉院展を見てきました。
事前の特別解説でレクチャーされましたので、展示品をテンポよく見ることができました。通常の展示会は、午後5時で閉館ですが、午後6時まで金土日祝日は午後8時まで)と延長されています。
さらに、「オータムレイト」というチケットがあって(800円)、当日券のみですが、閉館の1時間半前(平日なら午後4時半;金土日祝日は午後6時半)から入館可能になります。昨日は平日で、午後5時ごろから展示品を見たのですが、日中の混雑とは打って変わってゆっくり閲覧できました。
狙ったいくつかの作品だけ時間をかけてみたいというのであれば、この「オータムレイト」を利用されると良いと思います。県外からの国内観光客や外国人観光客は、ホテルや旅館での夕食の時間があるため、この時間帯に入館することは少ないのではないかと思います。ただし、3日からの3連休の「オータムレイト」の時間帯が空いているかどうかは予測がつきません。

展示品は、閲覧経路に従って、北倉に収蔵されていた聖武天皇・光明皇后ゆかりの品々から始まって、南倉、中倉の収蔵物や文書類と大まかな順序だてされています。
初出品が12件あり、その中には、2面の伎楽面も含まれています。

まず私が特に興味を持ったのは、2つの尺八(玉尺八、樺纏尺八)です。
玉尺八(ぎょくのしゃくはち)は、白い玉から竹製の尺八に似せてくり抜いたもので、竹と同様に、節があることや、節間には縦の線維の走行(筋)がついていることなど、竹に巧妙に似せてあります。このことから、「尺八」という学期は、竹製のものが本来のものであると意識していたことが明白です。

一方、樺纏尺八(かばまきのしゃくはち)は、細身の竹製で、途中何箇所かに、細い木の皮を何重かに巻いてある部分があります。品目名の樺纏からは、樺桜(カバザクラ)の木の樹皮であるように思いますが、解説には、カバザクラではなく樹種はわからないとしています。樺纏尺八の名称は、献宝帳に記載されているものです。今見ても、竹とその巻いた皮との対比がとてもきれいです。

この2管の尺八については、昭和20年代に実際に鳴らしたことがあり。その録音が会場内で再生されています。西洋音階を吹いているのですが、相対的に低くて長い音で吹いているのが玉尺八、高くて短い音のほうが樺纏尺八との解説を予め受けました。玉尺八のほうでは、1オクターブ鳴らすことができず、最後の音は、オクターブ下になっていました。誰が試奏したのか、尺八の専門家なのかそうではないのかはわかりません(【更新】会場の説明に、試奏したのは、宮内庁楽師 芝祐泰(しば すけひろ)?さん)。また、音律がどのようなものであったのかも気になります。

ここまで「尺八」と書いて来ましたが、実際の展示品は、1尺八寸はなく、とても小さなもので、直径もかなり小さな細い管です。(ソプラノリコーダーとアルトリコーダーの違いのようなイメージ)
もう一つ特徴的なのは、孔が現在の5孔(前に4孔;後ろに1孔)ではなく、6(前に5孔;後ろに1孔)であるという点です。正倉院には6孔の尺八が8管収められているとのことですので、それぞれの孔の位置が同じなのかどうかも興味深いところです。

楽器としては、他に、竪琴の一種、漆槽箜篌(うるしそうのくご)と、それをもとに明治時代に再現した模造品が展示されています。ただ、この再現には、かなりの想像が入っているとのことで、実際に見てみても、簡単に音が狂うであろうし、何となく楽器としては不安定なものに見えました。

東大寺大仏開眼会に使われたとされる花籠(けこ)2品展示されていました(初出陳)。散華を入れていた竹籠のようです。とても丁寧な作りで、四角の平底から円形の縁に移行する側面は、とても美しく現代的な印象もあります。また、縁が正確に正円ではなく、少し歪みがあるのは、当初からのものなのか、それとも経年変化によるものかはわかりませんが、現代の作品として見ると、とても魅力あるものです。

全て竹製で、高価な宝石や貴重な材料を使っているわけではなく、用途は違っていてもその当時であっても普通に使われていると思われるものが、現在までこのように大切に保管され、墨書で手がかりが書かれ、東大寺大仏開眼会の様子を知る手がかりとなることは、日本の文化の継承としてとても素晴らしいことです。

仏具としては、玳瑁杖(たいまいのつえ)が素晴らしいものでした。木製の芯をべっ甲で全て覆って杖と手がかりを作成し、杖の部分にはさらに、つる状のべっ甲が絡みついているというもので、技法的にもとても優れており、保存状態も良好でした。

目玉展示品の一つである緑瑠璃十二長曲坏(みどりるりのじゅうにちょうきょくはい)は、分厚い色ガラスで作られた横長のさかずきです。鉛ガラスに銅を加えて濃緑色に発色させ、吹きガラスではなく鋳造によるものとのことです。

これととても良く似たものが、近鉄奈良駅近くの東向商店街の骨董店の店先に展示されていました。こちらは、緑ではなく、青色でした。


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