久しぶりに時間がとれましたので、神戸に行きました。
ランチは、オーベックファン神戸。阪神岩屋駅から海に向かってすぐのビルの4階にあります。
フランス料理のオーベックファン神戸とイタリアンのビッピが庭園(光の庭園)を囲んでいます。
夜になると光の演出がなされるようですが、昼間でもクロトンやハイビスカスの寄せ植えが夏を演出し、背景には、ロダンの彫刻 「考える人」が鎮座しておられます。
YouTubeに庭園の短いビデオをアップしています
なお、写真撮影の許可は最初にいただいており、Sony α6500の完全サイレントモードで撮影しています。
6,7月のランチのテーマは、「才色、彩色兼備」とのことで、どういう演出になるのかとても楽しみです。
アミューズ:ピクニック ~Delikatessen~
バスケットにお弁当をしつらえて、ピクニックに出かけるイメージで、生ハムや、郷土料理、それにイクラとサーモンの親子丼が、本日のピクニック(ランチ)のワクワク感を高めます。
ワインはテーブルワインのおまかせで、爽やかさを引き立たせるものとしてプロヴァンスロジェとニュージーランドのソーヴィニヨンブランを選んでいただきました。
それに、お水は、六甲の布引の水。甘みのあるまろやかな美味しい水でした。
前菜1:Fruit de mer バスケット花壇 サフランの水たまり
春巻きの皮のようなものを揚げて容器を作り、その中に魚貝のサラダとハーブとお花のサラダを配しであります。
ソースはサフラン風味のソース。包みを壊してソースと混ぜて食べる趣向。
ハーブとお花を保持するスポンジ代わりとなっていたのが、何かの黄身を固めたもので、その濃厚さが、全体のあっさり加減の中でアクセントになっていました。
お皿がUFOみたいでユニークなものですが、スガハラガラスの商品とのこと。「スポーラ」という商品名のように思います。
前菜2:インカの目覚めのヴィシソワーズ Baconのバブルバス
「インカの目覚め」この数年前から、スーパーの食材としてよく見かける、濃黄色のじゃがいもです。アンデスの原産種に近いものと思っていましたが、実際には、南米アンデス地域の2倍体在来種で独特の食味を有する Solanum
phureja とアメリカ品種「Katahdin」の半数体を交配して育成された2倍体系統で、日本で品種交配されたものとのことです。
イメージは泡風呂。バブルバスでピクニックの疲れを癒やすイメージでしょう。
ビシソワーズを泡立ててあるのですが、その下にコンソメスープがジュレとして固められており、ベーコンのつぶつぶとあいまって、ヴィシソワーズの泡感、ベーコンの粒の硬い感じ、スープの液体感覚、それにジュレのモチモチ感が、1スプーンごとに様々にミックスして口の中に入ってくる。味覚と触覚のちょっとした冒険でした。
魚料理:タチウオの南仏島bienvenue
ソースプロヴァンサル
bienvenue(ビアンヴニュ)は歓迎、ようこそという意味で、「南の島にようこそいらっしゃいました」というメッセージを込めた一品とのことでした。
巻いたタチウオをポワレして、その上にタトゥイユ・ニソワーズ (ニース風ラタトゥイユ)
ソースはサフランのバターソースで、シェフ独自の工夫がなされているとのこと。
上には、文字バジルと赤紫蘇の芽を配してあります。
肉料理は1つずつ注文しました
まず
鳥料理:トウモロコシに囲まれたバルバリー鴨 Simpleな循環
これは、ポーランド産のバルバリー種の鴨を使っており、その鴨が食べるトウモロコシを様々な料理にして周囲に配しているとのこと。それが、「循環」の意味だそうです。
肉の上面には和の食材の金山寺味噌を使ってあるとのお話でした。
牛肉:特選熟成牛フィレ肉のロティ 新じゃがの2種アランシェンヌ
こちらはどちらかと言うと、フレンチのオーソドックスな仕上げで、熟成肉の旨味の豊かさと柔らかさが、ヴィネガーを効かせたソースにとても調和していました。
デザート:流れる白いショコラティエド チェリーとのクロス
チェリーに様々な手を加えたものをベースにアイスクリームを載せ、その上にホワイトチョコレートの平らな円板が載っている状態で登場し、最後に上から熱いチェリーソースをかけると、ホワイトチョコレートが半球状にアイスクリームを包み込んでいきます。
その様子をビデオ撮影したものを、YouTubeにアップしています。
そして最後に
竹炭ニャルディーズ
竹炭を混ぜたマカロンと黒いお団子がコースを締めくくりとなりました。
お茶も各種揃っていましたが、
ダージリンの今年のファーストフラッシュ バラスン農園のものとダージリンにオレンジのフレーバーをつけたティーをいただきました。
オーベックファン神戸には、
1916年 ニューヨーク製のスタインウェイがあります。
時々、サロンコンサートを開催されたことがあったとのことでした。
そんな機会が今後もあれば良いですね。
料理にテーマを持たせることで、味だけでなく、イマジネーションもふくらませることができます。シェフの意図されておられるものと、私たちのイマジネーションが共鳴することでお料理が一層素晴らしく、滋味豊かなものになるのだと思います。
コースの当初はあまり刺激的な味をつけず、コースが進むにつれて、様々な味が浮かび上がってくるように感じました。特に酸味は、最初の段階の料理では、ほんの微かに感じられるものが、魚料理、肉料理と進むにつれて味の中心になっていくような演出もなされているように感じました。
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