奈良・興福寺には多くの桜が植栽されています。ソメイヨシノ、次に、三重塔や南円堂裏、五重塔脇に近年植栽された枝垂れ桜、そして、いくつかの八重桜と続きます。
ところが、興福寺には、ソメイヨシノよりも少し前に開花する桜と、ソメイヨシノが終わってから、おもむろに開花する一重の桜がそれぞれ1本づつあります。
最初に開花するのは、ヤマザクラです。近鉄奈良駅から東向(ひがしむき)商店街を少し南下して、写真館の横の坂道を登った先に咲いています。
ヤマザクラ |
ヤマザクラ |
撮影位置を探せば、数々の国宝がおわします北円堂を背景にヤマザクラを撮影できます。
遠目に見ると、ほぼ白色ですが、少しピンクの色付きもあります。加えて、茶色の芽吹きも彩りを添えています。
このヤマザクラやソメイヨシノの開花に1〜2週間遅れ、八重桜とほぼ同じころに咲く桜があります。
ヤマザクラよりも開花が遅いこと。花柄に開出毛があること(ケヤマザクラの別名の由来)、花柄の特徴、葉の形状や蜜腺の位置がカスミザクラの特徴と一致します。また、樹肌に特徴的な横縞があるのも一致します。
もっとも、ヤマザクラやカスミザクラには、個体によりばらつきが多いようで、単純にカスミザクラと断定するのは適切でないかも知れません。
カスミザクラとすると、奈良県の名花であり、古より遅咲きの桜として愛でられたナラノヤエザクラ(奈良八重桜)が、カスミザクラの変種と考えられていることから、感慨深いものがあります。
奈良、興福寺では、南円堂から猿沢池に下る階段の中程から、南円堂を仰ぎ見る石畳を通り、国宝三重塔とその脇のしだれ桜を愛で、このカスミザクラそしてヤマザクラを楽しまれるのが良いでしょう。ただ、この3つの花の開花を同時に見ることはできません。
歴史探偵の気分になれるウェブ小説を知ってますか。 グーグルやスマホで「北円堂の秘密」とネット検索するとヒットし、小一時間で読めます。北円堂は古都奈良・興福寺の八角円堂です。 その1からラストまで無料です。夢殿と同じ八角形の北円堂を知らない人が多いですね。順に読めば歴史の扉が開き感動に包まれます。重複、 既読ならご免なさい。お仕事のリフレッシュや脳トレにも最適です。物語が観光地に絡むと興味が倍増します。平城京遷都を主導した聖武天皇の外祖父が登場します。古代の政治家の小説です。気が向いたらお読み下さいませ。(奈良のはじまりの歴史は面白いです。日本史の要ですね。)
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