昨年7月に、私の書きました
ソニー α7RII、RX100IV、RX10IIのセンサー技術【再改訂】
の中で、α7RIIのセンサー技術をもとに、α6000の2400万画素を維持し、同時にSuper 35 mmクロッピング領域を30pで全画素読み込むようなAPS-Cセンサーでは、2.4倍オーバーサンプリングが必要になると予想しました。
今回のα6300の発表では、まさにこの2.4倍オーバーサンプリング(6K相当)で4Kビデオを作成しています。
その予想の際に、
α7RIIのSuper 35 mmクロッピング領域は1.8倍オーバーサンプリングであるので、センサー技術として飛躍的なものを採用する必要があり、その技術要素は
1. 銅配線
2. 裏面照射型積層センサー
3. バッファローメモリーの追加
であろうとしました。今回は1の銅配線だけで技術の壁を乗り越えたことになります。
α7RIIではFF 4Kビデオより、1.8倍オーバーサンプリングしたSuper 35 mmビデオのほうが、画質が良いとされていますので、α6300での2.4倍オーバーサンプリング(6K相当 ただし24P)から圧縮される4Kビデオの性能が楽しみです。
今回は、この2400万画素APS-CセンサーをそのままFFセンサーに画素数を拡大すると、どのようなFFセンサーになるのかを検討してみました。
単純にα6300のAPS-CセンサーをFFサイズまで拡大しますと、9000×6000の5400万画素のセンサーになり、FFの16:9領域は9000×5062となります。
改訂版 |
【再改訂】詳しいスペックが出て、Supwe 35mm で6K相当の全画素読み取り(2.4倍オーバーサンプリング)を行うのは24Pモードに限定される(30Pでは撮像エリアが狭くなる)とありましたのでシェーマの図と文章を改訂しました。
そして、Super 35 mm 6K相当の画素を24 F/Sで読み込めるというセンサーの転送速度のままでは、FFの読み取りは9 F/S、FFの16:9領域の読み取りは10 F/Sとなります。
つまり、FFの16:9で30 F/Sのビデオを撮影するには、まだ3倍ほど転送速度を高めなければならないことになります。ですが、これが実現したら、8Kビデオを超えた9Kビデオが撮影できることにもなります。
APS-Cセンサーのまだ裏面照射型積層テクノロジーを適用していない段階での技術水準をもとにした将来のFFセンサーについての大まかな推定から、将来がおぼろげながら見えているように思います。
もちろん、総合的な読み出し速度はセンサーだけで決まるものではありません。しかし、デジタル化した後は、マルチコア並列処理など様々な工夫が可能です。今後の展望が楽しみです。
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