Sonyの4K収録が可能なE-マウント機器では、発表と同時に公式のプロモーションビデオが公開されます。いずれも印象的な作品になっております。
一方で、撮影地や撮影時期を推定し、発表のどれくらい前に撮影が行われていたかを検討すると、面白いことがわかります。
また、使用レンズの情報が画面に表示されますので、そのレンズの変遷から、開発者が想定しているレンズ群がどのように変化してきたかもわかります。
なお、それぞれのビデオの公開日は、製品発表日とほぼ同じです。
FDR-AX1
Promotion movie for Sony 4K Camcorder
FDR-AX1
2013年9月4日に公開
撮影場所
阿妹茶酒館 (九份) 台湾北部 千と千尋の神隠しのモデルとなった。
虎井嶼 柱状節理の海岸
七美嶼の双心石滬(ハート型の漁の仕掛け)
α7S
α7S Unparalleled 4K image quality (from
Sony: Official Video Release)
2014年4月6日に公開
高知市 五台山展望台、高知城、国分寺
撮影時期を推測する手がかり:
高知城のソメイヨシノが七分咲き〜満開
もみじの新葉が出ている
高知城の標本木の開花は、2014年は3月18日。開花日から満開までの平均日数は8〜10日(西日本)なので、撮影日は3月26〜28日あたり?
Eマウント
- FE 70-200 mm F4 G OSS
- Sonnar FE 35 mm F2.8 ZA
Aマウント
- 300 mm F2.8 G SSM II
- Vario-Sonnar 24-70 mm F2.8 ZA
- 100 mm F2.8 Macro
- Planar 85 mm F1.4 ZA
発表日の1週間〜10日前に撮影したものと思われます。撮影カメラマンが誰かはわかっています。
レンズについては、どちらかと言えばAマウントが中心で、FEマウントがまだ充実していなかったことがわかります。
PXW-FS7
PXW-FS7はXDCAMシリーズの業務用ビデオカメラです。Eマウントのため、SonyのαシリーズのレンズだけでなくNikonやCannonのスチルレンズや、映画用のシネレンズも使え、コスト対パフォーマンスの高さから注目されている製品です。
Super 35 mmフォーマットの4K収録に特化したセンサーを使っています。
Sony Professional: FS7 4K Film
2014年9月12日公開
金沢市ひがし茶屋町
夏以外に時期を特定する情報がなかった。お茶室のしつらえや着物から特定できるかもしれない。
Eマウント
- Zeiss Tout 2.8/12
- FE PZ 28-135 mm F4 G OSS
- FE 70-200 mm F4 G OSS
- Sonnar FE 55 mm D1.8 ZA
- Sonnar E 24 mm D1.8 ZA
Aマウント
- 135 mm F2.8 [T4.5] STF
- 100 mm F2.8 Macro
- Vario-Sonnar 16-35 mm F2.8 ZA SSM
- 70-200 mm F2.8 G SSM II
ひがし茶屋町での撮影は、過去にRX1もあった。
Super 35 mmの規格は、APS-Cのイメージサイズとほぼ同じです。そのため、APC-Cのイメージエリアしかない。Zeiss Tout 2.8/12やSonnar E 24 mm D1.8 ZAが使われています。むしろ、広角の特性を活かすにはZeiss Tout 2.8/12が必要であったとも言えます。
ここでは、135 mm F2.8 [T4.5] STFでボケが美しく表現されていたこと。
FE PZ 28-135 mm F4 G OSSがとても味のあるレンズだとわかったこと。それにFE 70-200 mm F4 G OSSと比較できるシーンがあり、両者の色み(映像のセクシーさ)にそれぞれ特徴があるように感じられたことが印象に残りました。
4KビデオではなくHDのプロモーションビデオも同時期に撮影されており、こちらは加賀友禅の工房でロケをしています。レンズは4Kビデオと共通のものが多いです。
α7R II
α7R II -The Ultimate
High-resolution 4K movie in Super 35mm | α | Sony
2015年6月10日公開
季節情報
白川郷(天守閣展望台からの眺望あり)
鯉のぼり、キショウブ、堆積させた雪が残っている。
鯉のぼりは端午の節句(5月5日)以降も掲げる場合があるから、撮影時期の絞り込みには貢献しない。
キショウブは一番花のように見える。そのため5月下旬ではないかと思われる。
Eマウント
- Distagon FE 35 mm F1.4 ZA
- Sonnar FE 55 mm D1.8 ZA
- FE 90 mm F2.8 Macro G OSS
- Vario-Tessar FE 16-35 mm F4 ZA OSS
- FE 28 mm F2
α7R IIのプロモーションビデオでは、Eマウントレンズを主に使っていることがわかります。Eマウントレンズが充実してきたことをアピールしているものと思われます。
この時点ではまだ発売日時が確定していなかったDistagon FE 35 mm F1.4 ZA
やFE 90 mm F2.8 Macro G OSSが使われています。
特にマクロレンズのFE 90 mm F2.8 Macro G OSSは囲炉裏の火を印象深く絵描き出しています。気になるのは、FE PZ 28-135 mm F4 G OSSを使っていないこと。FE PZ
28-135 mm F4 G OSSはPXW-FS7のレンズキットとしても使われている、シネ撮影用にとても評判の高い製品で、そちらの方面にも使われますので製造が追いつかないほどと聞いています。
このビデオが、Super 35 mmで撮影されたのか、フルフレームで撮影されたのか、それとも混在しているのかについては不明ですが、「Super 35 mmで撮影されたプロモーションビデオを見てその繊細な画質に驚いた」というエピソードを紹介している文章がありましたので、ひょっとしたら、このビデオも全編Super 35 mm撮影か、あるいは囲炉裏端の90 mmマクロによる撮影だけフルフレームなのではないかと想像しています(根拠はありません)。
【追補】上記に紹介しアドレスとは別のアドレスの同じプロモーションビデオの解説に
Super 35 mmクロップで収録したと書いてありました。
【追補】上記に紹介しアドレスとは別のアドレスの同じプロモーションビデオの解説に
Super 35 mmクロップで収録したと書いてありました。
Super 35 mmとフルフレームにどの程度の画質の違いがあるのか、ひょっとしたら、Super 35 mmのほうがモアレなどが出にくいのではないかと想像しています。
YouTubeの4K画質でして、本来の画質そのままとは行かないのでしょうが、映像はとても素晴らしいものです。ソニーショップでもう少し高いビットレートで鑑賞できることを楽しみにしています。
α7R IIの仕様の細かな点
USB power supply USB端子を介して、電源供給できると読める(従来は、充電しかできなかった)。従来と同じ仕様であれば、わざわざOther
advancesとして取り上げる必要はないはず。
バッテリーの容量の少なさの問題が、ポータブルUSB電源で解消できると期待される。
シャッターの耐久性50万ショットというのは、電子先膜シャッターモードでのこと。例えばD4の耐久性40万ショットなどとは単純に比較できない。
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