2018年6月29日金曜日

リュウグウの姿

リュウグウのホームポジションへの到達のJAXA記者会見を興奮して見えていました。
おめでとうございます。

19日金曜日の朝現在で、リュウグウのイメージとしてJAXAが公表しているもののうち、最も接近して撮影されたものは、約40kmと約22kmの距離で撮影されたもの2枚です。

この2枚は自転の相に少し違いがあり、両者を比較することでも、いろいろ想像することができます。

クレーターや岩塊の存在などの地質学的な特徴については、ほとんど知識がありませんので、私は画像そのものの特性について検討してみました。

まず、確実な点は、
リュウグウ(被写体)に対する太陽(光源)の位置は、被写体から見て斜め前方であるということです。
一方で、JAXAのはやぶさ2のホームページを見ると、はやぶさ2は、リュウグウと地球の間を結ぶ線上にいます。ですから、太陽は地球からリュウグウを見て、右手前の方向に存在していることになります。

それを理解した上で、リュウグウのイメージには、2つの大きな特徴があります

  1. 岩塊と思われるものの中にとても明るい部分がある。
  2. クレーターの左右でグレイレベルに明確な違いがある

岩塊近傍の明るい部分は、2枚の近接イメージには共通に存在してはいない部分が多くあることから、岩塊のその部分に特殊な物質が局在しているのではなく、光の反射角度によりたまたま反射光が強くなる角度の関係になったものと考えられます。
この反射角度のわずかな違いによって、イメージのグレイレベルに顕著な違いが生じることで、上の特徴の項目2も説明できます。

この際に、常に留意しておかなければならないことは、このイメージは、グレイスケールが相当に拡大されたものであるという点です。

ホームポジション到達の際の記者会見のスライドにありましたが、リュウグウの反射率は極めて低く、実際に見えるのは炭のように真っ黒な小惑星です。そのため、得られたイメージのグレイスケールを強調して発表されています。

ですから、イメージのグレイスケール上で大きな違いがあっても、実際の差はそれほどないと考えられます。

ただ、左上の小さなクレーターの周囲や、最上部(小惑星のS極と言うらしい)の岩塊の明るいスポットは、2枚の近接画像であまり変わらないと思われる部分もあります。
そのようなものには、反射面のなす角度の違いという純粋光学的なものではなく、表面物性の違いを示すものがあるのかもしれません。

いずれにしても、わずかなグレイスケールの変化が、単純に被写体の反射角度だけによるものなのか、それとも反射面の物性に関係しているのかは、正確なキャリブレーションがなされて初めて解明されるものですようし、これからのJAXAからの発表は慎重になるでしょうから。しばらく時間がかかるでしょう。


0 件のコメント:

コメントを投稿

SonyノイズキャンセリングヘッドホンWH-1000XM4のトンネルボコッ大幅改善

 SonyノイズキャンセリングヘッドホンWH-1000XM4では、新幹線でのトンネル出入りの際のボコッが、WH-1000XM3と比較して大幅に減少しているようです。 山陽新幹線・九州新幹線ではトンネルが多いため、高速でトンネルに入ったり出たりすると、車内の気圧が急激に変動するため...