春には桜だけでなく、様々な特徴ある花々が咲き誇っていたものです。中には変わった形のものもありました。そのようなものとして、マムシグサがあります。
マムシグサ、2015年4月4日、京都府立植物園
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名札が付いていませんでしたので、正確な種名はわかりませんが、サトイモ科テンナンショウ属のマムシグサと思います。マムシグサの苞は、この個体の場合には紫色の筋模様ですが、緑色のものもあるようです。
植物学でいう花は、苞に包まれたスティック状のものです。
この時期、田舎を通る列車などの車窓から紅紫色の花が次々に見えるのがミツバツツジです。落葉ツヅジで、葉は花後にしか出てきませんので、葉のない枝から鮮やかな花が咲き乱れるのは、桜と並ぶこの時期の風情です。
ミツバツツジ、2015年4月4日、京都府立植物園
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よく見ると、雄しべが5本にめしべが1本、優雅なカーブを描いています。自然の造化は本当に素晴らしいです。
京都府立植物園のロックガーデンには、もう一つ、興味あるものがありました。
日本ではオキナグサと呼んでいるプルサティラPulsatilla属の花々です。
Pulsatilla armena、2015年4月4日、京都府立植物園
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Pulsatilla helleri ssp. grandis、2015年4月4日、京都府立植物園 (Pulsatilla halleri ?)
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日本のオキナグサは、花色がもっと赤みがかっており(あずき色)、下向きに咲いていたように記憶しています。山間の田んぼのあぜ道に咲いているのを見つけた時には、その形や色、白毛をまとっている様子、葉(羽状複葉)の様子に、まるで花のお姫様が鄙びた世界に降りて来られたような感じを受けました。
プルサティラ属が多く咲く南ヨーロッパでは咲く時期からイースターフラワーとか、生息地からバスクフラワーと呼ばれています。
4月15日 注記:
下の写真、Pulsatilla helleri ssp. grandisは、名標の一部の文字が完全に消えており、学名表記とカタカナ表記を組み合わせてこの学名表記を再現したのですが、調べて見ると
Pulsatilla halleri の可能性があります。種名の最初の2文字が欠落し、lleriは鮮明にみえていまして、カタカナ表記が ヘレリ でしたのでhelleriと再現しました。
Pulsatilla halleri の可能性があります。種名の最初の2文字が欠落し、lleriは鮮明にみえていまして、カタカナ表記が ヘレリ でしたのでhelleriと再現しました。
ところで、このオキナグサ属が属するキンポウゲ科は、他に園芸植物としてはアネモネも含まれていますが、進化の上では、このキンポウゲ科が裸子植物から進化した、被子植物としては初期の段階にある植物です。逆に最も進化したものは単子葉植物のラン科植物です。でもラン科植物の美しさに決して引けをとらない美しさがキンポウゲ科の花々にもあるように思います。
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